不妊治療も「男女(パートナー)共同参画」です

またまた、すっかりご無沙汰してしまいました。

今回は、企業のみなさまへ、というよりも、治療と仕事の両立を考えている、社員の皆様へ、主にお伝えしたいと思います。

 

ただいま、企業向けセミナーを本格実施するべく企画中ですが、不妊治療も仕事の両立も「男女共同」で行うもの、というメッセージも伝えたいと思い、模索しています。

 

「男女共同」というと、ニュアンスが違うのでは?と思われるかもしれませんが、『男女両方に関係するもの』であり、『男女でともに考えるもの』『男女にとって大事なもの』という意味合いで、考えています。

 

ただ、同性パートナーの間で生殖医療を行う場合もありますので、”男女”ということを強調するのはどうなのだろう?というご意見もあるかと思います。私自身、同性カップルの方で、お子様を望んでいる方の声も知っていますし、その点では、”男女”ばかり言うのも、と思うところもあります。

 

ですので、”男女”ということに加えて、”パートナーとの共同”という視点も加えて、セミナーで盛り込みたいと考えていることを少し、お話したいと思います。

 

★不妊治療と「男女(パートナー)共同」:通院について

 子どもが授かりにくい要因には、女性側の要因、男性側の要因、双方があることはご存知の方も多いと思います。

 しかし、その要因に対して、どのような対応をするかということには、大きな違いが出ます。どうしても、女性側が通院する回数が増えてしまうのです。女性は要因の有無にかかわらず、月に数回受診することがあるのに比べて、男性は要因がある場合でも、1回のみということも珍しくありません。しかも、服薬で対応する場合には、パートナーが代わりに処方してもらい、受診しないということもありうるのです。

 

 こうなると、当然、通院と仕事の両立の悩みは女性のほうが多くなってしまいます。

 

 仕事のやりくり、通院のスケジュールの把握。自分のことだけでも大変なのに、そこに、パートナーの薬をもらってくる、という作業も加わるわけです。ときには、服薬についての医師の説明を、女性が伝えなければならないということもあります。

 

 パートナーの薬なのに...。

 

 自分が服用する薬のことは、自分で確認する。これは、治療上、とても大事なことです。

 

 自分の治療のための受診です。女性任せではなく、自分のこととして、仕事と治療の両立を考えてみてはいかがでしょうか?

 

 職場に休みや早退を伝えるためのヒントを、共有することもできるかもしれません。

 

★不妊治療と「男女(パートナー)共同」:医師とのコミュニケーション

 カウンセリングでたびたび話題になるのが、「夫が私に治療のことを質問してきたとき、わからなかったりあいまいな説明になると、”ちゃんと先生にきいてきて”と言われる」というもの。

 治療内容について、医師から直接聞いた場合には、なるほど、と思えても、いざ全く聞いていない人に説明しようとすると、意外と難しいものです。

 

 女性のほうが通院回数が多い分、知識も多くなる傾向にあると感じます。その分、パートナー、男性は知識格差ができてしまうようです。

 

 よく、「だったら自分で聞いて!といいたくなる」というお話も出ます。

 

 実際、その通りだと思います。医師ではないので、質問されても細かいことはわからないとか、理論的なことを聞かれても...とおっしゃるのを聞くたび、自分で聞いてほしいと思うのも、無理はないと思います。

 ですが、こう言うと、「ちゃんと聞いてきてくれればいいのに」と思われるかもしれませんね。それもその通りかもしれません。中には、パートナーに聞かれたことで、自分もよくわかっていないことに気づいた、次に受診した時に聞いてみよう、というふうにプラスにつながることもあります。

 しかし、多くの場合には、疑問に思うポイントが違うために、質問しようと思わなかったこと・特に自分は気にならないことを聞かれ、なんと答えていいかわからない、だから、「わからない」と答えざるを得ない。そうすると、「ちゃんと聞いてきてよ」と言われる...、というループにはまってしまうようです。

 

 不妊治療は二人の子どもを授かるための歩みです。

 どちらか一方だけのことではありません。もしもわからないことがあったら、直接、聞いてみませんか?

 治療と仕事の両立を図る意味でも、納得して通院する・治療するために、必要な作業だと思います。

 そのために、仕事を休む、早退するという作業も必要になるかもしれません。両立を考える意味でも、重要な事柄ではないでしょうか。

 

・・・・・・そして。

 企業のみなさまへ。

 通院には、こうした意味もあるということを、リプロダクティブ・ヘルス・サポートでは、伝えていきたいと思っています。